うえだ眼科クリニックの
ブログ

白内障手術時の見え方について

2021年01月19日

皆様こんにちは、うえだ眼科クリニック 院長 上田 至亮です。今回は白内障手術の時の素朴な疑問 ”手術中は見えているのか?” について、ブログにしたためようと思います。

 さて、白内障の手術の説明をしているときに、よく患者さんに聞かれる質問の中に”手術中は目は見えているのですか?” というのがあります。まあ、そのあとに来る言葉は ” 手術中にメスとかが見えるのは怖いです。” と来るわけです。・・・確かにそうですよね、白内障は2.4mm程度と小さい切開なのですが、眼にメスを入れることには変わりありません、目の前からメスが近づいてきたら怖いと思いますし、私も自分が手術するとなると、やはり怖いです。

 という事で、私が時々患者さんに ”白内障の手術中に、景色はどういう風に見えましたか?” と聞くことがあり、そのお答えの一覧を参考に述べさせていただきます。

証言① オーロラのような光が見えてキラキラしていました。

 ということで、比較的多く聞いたことがあるのが、上記のように光の筋のようなものがキラキラ見えたというお話です。白内障の手術は顕微鏡をのぞきながら手術する1㎜単位の繊細な手術の世界ですが、その顕微鏡の光がかなりまぶしいのか、機材が見えるという事はなく、乱反射した光が見えるようですね。

証言② 虹のように色々な光が見えました。

 こちらも、オーロラとほぼ同じような印象ですが、より鮮やかにいろんな色が見えたというようです、中には手術中に ”あーー綺麗だわー、夢の国にいるみたい、あ・ここも綺麗よー” と、ファンタジックなコメントを手術中に語り続けてくれた患者さんもいます。

 という事で、白内障手術の時に、目に入ってくる光が比較的まぶしいために、意外と手術を開始してしまうと、手術の機材が見えるというよりは、乱反射した光で上記のように見えるようです。

 ただ番外編として白内障手術でなく、以前私も実施していた ”硝子体手術” といって眼の中の手術をするときは

証言③ 大きなピンセットが近づいてくるのが見えました

という、お言葉を聞いたことがあります、当院では実施していない手術にはなりますが、硝子体手術時には上記のように見える方もいるようですね。

 ぜひ、皆さんも白内障手術をされたときに見えた景色で、印象に残っているものがあったら担当医にお話ししてみてください。個人的には、どなたかが絵に描いてくれたらクリニックに飾らせていただきたいなと思っているのですが、ご興味がある方は是非お知らせ下さい。

新年のご挨拶

2021年01月01日

新年あけましておめでとうございます。 
うえだ眼科クリニック事務長 上田麻衣子です。
皆さま健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

今年も「見える喜びをいつまでも」を合言葉として

1、快適・安心・わかりやすい医療の提供を目指す
2、総合病院に劣らない診断と治療を提供するため、常に新しい治療に取り組み勉強する
3、職員一同、一致団結したチーム医療を目指す
4、経営の合理化を図ることで、良い医療体系を形成して医院を継続させる
5、公私ともに充実して仕事することで、個人としてのやりがいも充実させる

上記の組織理念を掲げ、患者様と職員の幸せを第一に運営してまいります。

「医療法人社団 至光会」の法人名にあるように、すべての人に希望の光が至りますように、院長共々鋭意努力する所存です。

何か不安なこと、病状についてご相談等ございましたら遠慮なくお尋ねください。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

                          院長  上田 至亮
                         事務長 上田 麻衣子

世界初! 5焦点眼内レンズ:INTENSITY (インテンシティ)のお話

2020年12月17日

皆さん、こんにちは うえだ眼科クリニック院長 上田至亮 です。

今回は、最新の5焦点眼内レンズのお話です。

 近年、老眼矯正レンズともいわれる多焦点眼内レンズが開発され、白内障の手術時に摘出された水晶体の代わりに多焦点眼内レンズを移植することで、遠近の両方が見えやすくなるというレンズが開発されています。

 そんな中、これまで2焦点レンズ・深度拡張型・3焦点レンズ等様々なレンズが発売されてきましたが、イスラエルのHanita社が世界初となる5焦点眼内レンズを発売し、2020年9月から日本でも取り扱いが開始されたので当院でも導入を決定いたしました。

 簡単には、当院のHP ”多焦点眼内レンズ(老眼矯正眼内レンズ)(こちらをクリック)” に説明がありますが、ブログではもう少し掘り下げて、実際の見え方や新しいテクノロジーの話をしてみます。

①、そもそも、多焦点眼内レンズというのがどういう構造をしているかというと、レンズ自体が段差を持つような構造を持つ(上の画像で眼内レンズに線が入っている部分が段差です。)ことで、目に入ってくる光を分散して遠くと近くを同時に見ているというのが、多焦点眼内レンズの特徴です。そのため、単焦点眼内レンズより、それぞれの距離についての見え方の質が若干低下するのがデメリットとなりますが、大半の方は日常生活において強い支障がでることは少なく、眼鏡をかける頻度を減らせるという利便性もあって使用されています。

②、具体的には下図のように、距離毎の光を分散させるように配分 (図1) することでインテンシティは 5つの焦点距離(40cm・60cm・80cm・133cm・5m)を持ち、日常のあらゆる活動をカバーできるようになりました。

(図1) INTENSITY 距離毎の光の配分曲線

③、また、最新の特許に基づいた独自のアルゴリズムによるフーリエ変換で計算された回折構造をもつため、下図のように従来のレンズにないほどの光エネルギーの損失(エネルギーロス)が低下しています(図2)。

(図2)INTENSITY と3焦点レンズの光透過率とエネルギーロス比較

④、そのため、これまで多焦点眼内レンズで出やすいとされていたハロー等、光の ”にじみ” がより少なくなることで、自然な見え方をえられるようになりました(図3)。

(図3)INTENSITY と3焦点のハローの比較

⑤、また、それぞれの距離での見え方がよりはっきりとすることで、従来の多焦点眼内レンズよりも見え方の改善が得られ、より理想とする見え方が得られたと考えられています(図4)。

(図4)INTENSITY と3焦点の見え方イメージの比較

⑥ 欠点としては輸入レンズとなりますので、輸入の手続きが輸送の時間として3-4週間程度かかること。日本では未認可の為、自費診療での手術が必要となること。 先に述べましたように、どうしても多少はぼやけ感が出る可能性はあるといったところです。

 いずれにしても、群雄割拠の眼内レンズ業界にも、新しい風がどんどん吹いてきているのを感じる日々です。これからも、しっかりと勉強して皆様に適切な眼科医療を届けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

うえだ眼科クリニックでは 眼内レンズが ”無限触り放題” です。

2020年12月05日

 皆様こんにちは、うえだ眼科クリニック 院長 上田 至亮です。

 さて、いろんな眼科のホームページで白内障の説明ページを見ていると、眼にすることがある ”眼内レンズ” の画像ですが、実際はどの程度の大きさなのか、硬さはどのくらいなのかなど、実物を見た方はいらっしゃいますでしょうか? おそらく、白内障手術を終えたほとんどの方の目の中には眼内レンズが入っているにもかかわらず、実物を見たことがない方が多いと思います。

 ということで、当院では白内障の手術をするときには必ず眼内レンズの ”実物” を見せつつ、触っていただき眼内レンズがどういうものかを説明しているのですが、実際の大きさは下の図のように指先くらいしかありません。

左が ”単焦点眼内レンズ” で、右側が ”老眼矯正レンズ” ともいわれる ”多焦点眼内レンズ” (MINI WELL READY)です。指先の大きさと比べると、ずいぶん小さいのがわかりますね。

 図の説明のように、それぞれ ”単焦点眼内レンズ” とMINI WELL READYという ”多焦点眼内レンズ” になるわけですが多焦点眼内レンズには老眼矯正の効果もあるのが特徴です。 同じように見えてこの小さな構造体の中に複雑な機能が詰まっているんですね。 先達の研究者の方々の努力と医学の発展はすごいものだと思います。

 今日はくしくも我が家の子供も好きな ”鬼滅の刃” の最終巻発売日でした。”無限列車” ならぬ、 眼内レンズ ”無限触り放題” という事で、ご興味ある方は当院に相談にいらしてくださいね。

うえだ眼科に ”自動釣銭機” 入りました!

2020年11月06日

 皆様こんにちは、うえだ眼科クリニック 院長 上田 至亮です。コロナ禍のなか、皆様も様々な工夫をされていると思いますが、いかがお過ごしでしょうか。

 この度、当院ではコロナ対策の一環として、なるべく職員と患者様の接触を減らすことと、お金の受け渡し簡略化による患者様の待ち時間短縮を目的として、自動釣銭機を導入致しました。

当院のカウンターに設置された自動釣銭機です、最近コンビニエンスストアにも導入されつつありますよね。

 これまでは、患者様との金銭の受け渡しは職員が直接しておりましたが、こちらを使用することで、会計作業がスムーズに、かつ衛生管理上安全に出来ると期待しております。使い慣れていらっしゃらない方も多いとは思いますが、是非とも皆さんご活用頂ければと思います。

 釣銭機の導入により、患者様とのソーシャルディスタンスを少しでも確保できるようにはしておりますが、心のコミュニケーションについてはディスタンスを作ること無く心がけていきたいと思いますので宜しくお願い致します。