うえだ眼科クリニックの
ブログ

うえだ眼科クリニック、4月23日の手術内容

2024年04月23日

本日、白内障手術10件(乱視矯正レンズ4件、多焦点矯正レンズ4件、緑内障同時手術3件含む)の合計10件の手術を無事に終了いたしました。また、白内障手術につきましては全例、先進のORA(術中波面収差解析装置)と連動したV-Lynkシステム(ORA SYSTEM™ with VerifEye™ Lynk)による手術で実施いたしました。明日の皆さまの手術後の笑顔を楽しみにしています。

うえだ眼科クリニック、2月20日の手術内容

2024年02月20日

本日、白内障手術10件(乱視矯正レンズ3件、多焦点矯正レンズ1件含む)、霰粒腫切開術1件の合計11件の手術を無事に終了いたしました。また、白内障手術につきましては全例、先進のORA(術中波面収差解析装置)と連動したV-Lynkシステム(ORA SYSTEM™ with VerifEye™ Lynk)による手術で実施いたしました。明日の皆さまの手術後の笑顔を楽しみにしています。

うえだ眼科クリニック、2月13日の手術内容

2024年02月13日

本日、白内障手術10件(乱視矯正レンズ2件、多焦点矯正レンズ4件、緑内障同時手術1件含む)の合計10件の手術を無事に終了いたしました。また、白内障手術につきましては全例、先進のORA(術中波面収差解析装置)と連動したV-Lynkシステム(ORA SYSTEM™ with VerifEye™ Lynk)による手術で実施いたしました。明日の皆さまの手術後の笑顔を楽しみにしています。

iStent inject®W:低侵襲緑内障手術(MIGS)併用の白内障手術の真価

2023年03月17日

 こんにちは、うえだ眼科クリニック 院長 上田です。今回のブログでは当院で昨年から開始した、低侵襲緑内障併用(MIGS)白内障手術のお話をさせていただきます。


 じつは去年の11月から開始したMIGSについては、一度私のブログで報告済み ”◎iStent(アイステント):低侵襲緑内障手術(MIGS)併用の白内障手術はじめました。(こちらをクリック)、” なのですが、当院ではすでに多くの患者様からのご要望により、アイステント併用の白内障手術開始から10例以上を経験して、アメリカ本社のGLAUKOSから認定される ”iSTENT Certification” を、当院の院長 上田 至亮 が頂くこととなりました。

こちらが認定証となります。正式にアメリカのグラウコス”GLAUKOS”社から認定された「医師」に発行される認定証ということで、杉並区では初の認定となりました。

 では、低侵襲緑内障手術(MIGS)併用の白内障手術が、患者様にどのようなメリットがあるかという話を、最新の情報とともにお話をしてゆきたいと思います。


 まず、当院で実施している、iStent inject®W は、いわゆる第2世代のステントということで、多くの臨床成績のデータが近年になって出てきています(第1世代は単に”アイステント”と呼ばれています。)。その中で、これまでは緑内障のステントを使用された患者さんでは、手術前より緑内障の点眼の本数を減らすことが出来たという報告や、もともと普通の白内障により眼圧は低下するという報告があったのですが、アイステントを併用することで、より眼圧を減少させることができるという報告も見られていました。


 その中で印象的だったのが、第2世代のアイステントを使用することで7-8割の方が緑内障の点眼を減らすことができたたという報告(第78回眼科臨床臨床学会セミナーから抜粋)があったり、海外での報告では当院で使用している第2世代のiStent inject®Wのほうが,第一世代のアイステントよりも眼圧下降に優れているというデータ(guedes RAP et al Adv Thr 2019)もあるようでした。


 また、白内障手術時にアイステントを入れた症例では、いったん緑内障の点眼はすべて中止して経過観察をするのですが、その後に眼圧が安定して、手術後に点眼を再開せずに済んだ症例については第1世代のアイステントでは70%であったのに対して、当院で使用している第2世代のiStent inject®Wを使用した症例については90%近く(第78回眼科臨床臨床学会セミナーから抜粋)が点眼を再開せずにすんでいるという報告もあり、より点眼の再開率が低くなっていると報告もされており、緑内障併用手術の器具としては、よりよい成績を残しているということが報告されておりました。


 近年は、団塊の世代が退職後に充実した老後生活を送りつつ、より良い人生を求めて生活の質(QOL:Quarity of life)を高めることが求められている時代です。その中で少しでも点眼のわずらわしさから解放され、快適な老後を過ごすための一つの手段として白内障手術をするときの併用手段としての、iStent inject®W の併用手術が広がることで、少しでも皆様の人生のより良い視力の質:QOV(Quality of vision)が得られるに願っております。

 ぜひ白内障手術を決められた際に、緑内障で点眼を使用されている患者様は、アイステント手術の適応について、担当医に相談されてみてください。

V-Lynk(術中イメージガイダンスシステム:ORA SYSTEM™ with VerifEye™ Lynk)の実力

2023年01月12日

 皆様こんにちは、上田眼科クリニック院長 上田です。新年あけて、さっそくの手術始めを先日実施いたしました。無事に手術も終了して、今年度も安心安全な手術を目指そうと思っている次第です。


 ところで、昨年度から当院で稼働している、デジタル手術支援システムである”V-Lynkシステム”の手術データがそろそろ出始めましたので報告させていただきます。V-Lynkはこちらのページ(こちらをクリック)、に詳細を書いておりますが、簡単に言うと白内障の手術中にリアルタイムに目のデータを計測して、AIによりレンズの度数を決めたり、乱視矯正が必要な場合は、乱視の矯正軸や乱視の矯正度数をAIを利用して求めることで、手術の精度をより高くする目的で導入している機材となります。


 今回は、当院での白内障手術時における、乱視矯正の結果のデータが出たのですが結果から言うと、V-Lynkを導入したことにより乱視矯正の精度が高くなったというデータが見られました。

乱視乱視の強さに応じた矯正結果です。手術前に乱視が強かった症例はどうしても、手術後に強い乱視が残りがちになっていました。


 上のグラフは2017年に、以前勤務していた荻窪病院の眼科部長時代に、私が日本臨床眼科学会で発表した白内障手術時における、乱視の強さに応じた術後の乱視矯正データのグラフで、以前は乱視矯正の軸を手術室に入る前に患者さんの目に ”手で直接マーキング” をすることで ”術前の予想値” で乱視矯正をしていたのですが、その結果のデータです。グラフから分かるのは、手術後に見られた乱視矯正効果については、ある程度乱視矯正はできても、そこそこの乱視(生活には支障ない程度の乱視である-1.0ジオプター ~ 少し強めの乱視である -2.0D程度)が残ってしまっていました。もちろん、乱視矯正をすることにより、乱視矯正をしないよりは、患者さんにとって術後の視力の安定につながっていました。

左上は術前の乱視の程度です-1~-4まで中心から遠いほど乱視が強いというデータで、左下は術後の乱視データで、中心に近くなっており、かなり乱視が矯正されているという結果となりました。右のグラフは、乱視矯正により術後の乱視が-1ジオプター以内に納まっているという結果です。


 ところが、上のグラフは当院でV-Lynkシステムを併用した白内障手術の術前・術後の乱視矯正結果のデータですが、かなりの正確性で乱視矯正ができているという結果となりました。(75%以上の症例で-0.25ジオプターと軽い乱視が残っただけで、ほぼ100%で上記と同じ-1ジオプター以内に収まっていた。)


 私自身、使い始めてどの程度の正確性があるのか心配だったのですが、結果を見るとかなりの精度を誇っているという事でした。また、こちらの機材の会社の担当者さんによると、当院の乱視矯正の精度は世界レベルでも高い水準にあるということで、今後も安心して使っていける結果が得られました。

 まだまだ、V-Lynkは全国で60台、都内では20台程度と稼働の少ない機材ですが。患者さんのためにも先進の技術を駆使して、精度の高い白内障手術により少しでも患者さんが笑顔で ”よく見えます!”とお話しされるのを願って引き続き頑張っていきたいと思います