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デジタル手術支援システム

1. V-Lynkを杉並区で初導入!

先進のデジタル白内障手術支援システムであるV-Lynk を導入し、デジタル手術支援システム併用白内障手術を実施しております(杉並区では初導入、都内では15件、日本全国では75件の導入実績:2024年5月現在)。

1. V-Lynkを杉並区で初導入!

2. V-Lynkとは

術中イメージガイダンスシステム(ORA SYSTEM™ with VerifEye™ Lynk)の略語であり、
①ORA:術中波面収差解析装置
②VERIONリファレンスユニット:瞳孔計機能付き角膜トポグラフィーシステム
の2製品を接続する事で実現している、先進のデジタル白内障手術支援システムのことです(それぞれについて4項目5項目で詳細の解説をしております)。

①ORA:術中波面収差解析装置
①ORA:術中波面収差解析装置
②VERIONリファレンスユニット
②VERIONリファレンスユニット

これらは、白内障手術の計画及び術前検査時には、蓄積されたデータから白内障の患者様に適合した眼内レンズを選択するという機能と、手術中にそれらのデータを参照しつつ手術ができる、術中イメージガイドシステム群の総称であり、白内障手術時にはAIにより世界100万症例のデータを参照しつつ、リアルタイムに目の形状を測定して、執刀医師の手技と患者さんの目の屈折に適合した眼内レンズ(以下「IOL」)を選択できる精度の高い手術機材です。 また、手術中に変化する患者さんの眼の形状に合わせて、リアルタイムに乱視用IOLの固定位置を割り出したり、目の切開線のデザインを手術者の顕微鏡内に表示したりできる、AR(拡張現実)の機能を併せ持つ最新のデジタル白内障手術支援システムでもあります。 これらの結果、より理想に近い術後の裸眼視力を得ることが期待され、術後の見え方に対する満足度をさらに高めることが期待できます。

イメージガイドシステムを導入した白内障手術

3. V-Lynkのメリット・デメリット

一般的な白内障手術

IOLの度数を予想して手術計画を立てるが、手術による目の形状変化により術後誤差が出たり、術者の“クセ“などで完全予想が困難

             

予想がずれると、術後の裸眼視力が目標とする視力より低下する可能性がある

VLYNKシステムを組み込んだ白内障手術(当院)

術前に蓄積された100万症例のデータAIによるレンズ予想によりレンズを決定! 術中はリアルタイムの眼の形状を測定することで正確なレンズの計算と、乱視軸をデジタルマーカーとして提示して誤差を最小限に抑える。さらに、術者ごとのデータをフィードバックしてデータを補正する!

“予測”であったレンズ度数をより “正確な結果”へ導くことで、術後裸眼視力の向上が望める

なお、デメリットとしては測定に少し時間がとられるため、手術時間が3-5分程度長くなる場合があります(手術手技は全く同じであり、基本的に患者様に負担はありません)。

4.ORA:術中波面収差解析装置とは:リアルタイムな術中検証システム

白内障手術ではIOLの度数を決める時、手術前に外来検査時において測定されるデータからIOL度数を決定していました。そのため、手術の切開などにより眼の状態が変化するため、術後に良い結果が得られないことがありました。ORAは手術中に混濁した水晶体を除去したあとの眼の形状をリアルタイムに測定し、その測定データと世界中から集められた100万症例のデータベースを参考にAIが最適な眼内レンズを提案してくれます。そのため、より患者さんに適合した眼内レンズを選択でき、ORAを使用することで、より良い結果が得られやすくなりました。

ORAの特長

  • IOL挿入術における主要な測定値をAR(拡張現実)機能により術野にリアルタイム表示可能
    手術精度の向上により、患者様のより良好な症状改善が期待される
  • IOLのより最適な度数・固定位置を提案 手術の影響による眼球全体の屈折度数を評価し、IOL固定位置角度を1度単位で提案 さらに、リアルタイムに乱視の程度を測定することで、より少ない術後乱視の低減に寄与する
  • 手術によって生じる変数を全世界のデータと比較・フィードバックして最適化が可能 過去の手術データを蓄積することで、データをアップデートおよびフィードバックして、各医師の手技にあったIOL定数・惹起乱視を検証し、医師ごとにカスタマイズされた手術を提案できる
ORAの特長

5.VERIONリファレンスユニットとは:瞳孔計機能付き角膜トポグラフィーシステム

手術前の検査において、目の形を解析し、最適な切開部位や乱視の軸などを測定して、IOLの度数を計算することができる。また、それらのデータを蓄積して世界100万症例のデータと比較検証し、多彩な計算式を駆使することで、より正確なIOL度数の予測が可能となる。 さらに、術前に測定した眼の形状や写真のデータをORAと連携して、白内障手術中に顕微鏡内に投影する拡張現実(AR)機能を提示することで、手術中のデジタルガイドシステムを有する。

VERIONリファレンスユニットとは

白内障手術の精度と再現性を高めるシステムであるVERIONの特徴

  • 測定モジュール
    角膜屈折力と軸の測定、眼表面の特徴を分析
  • ビジョンプランナー
    眼内レンズ度数計算や、トーリック眼内レンズ・SIA・角膜弧状切開による乱視矯正を計画、 さらにデータを蓄積することで、世界100万症例のデータと比較して正確性を高めてゆく
  • 拡張現実(AR)機能
      術前に計画した切開位置・前嚢切開位置、IOL中心固定位置、トーリックIOL軸等を手術者の 補助機能として、顕微鏡下やモニタにデジタルマーカーにて表示可能

6. V-Lynkを併用したデジタル支援白内障手術の大まかな流れ

外来において

①VERIONを用いて 強膜血管、角膜輪部、虹彩の特徴を捉え撮影を実施、眼内レンズ、切開位置、乱視矯正レンズの軸決定を計測データから割り出す。
→100万症例のデータと、自施設データの履歴を参照して補正可能

100万症例のデータと、自施設データの履歴を参照して補正可能

手術室において

②ORAシステムを用いて目の動きを追従するよう患眼を認識・登録を実施、術前に計測、計画した情報を手術顕微鏡で見る眼球上に表示し手術開始。
→拡張現実(AR)機能の活用

拡張現実(AR)機能の活用

③前嚢切開線ガイドの提示を参照して前嚢切開(特に多焦点眼内レンズにおいて切開の大きさは重要)。
→拡張現実(AR)機能の活用

拡張現実(AR)機能の活用

④通常通りレンズ乳化吸引を実施後、ORAによる眼球の形状測定を実施して、最適化された眼内レンズの度数を提案。そのデータをもとに担当医師がレンズを決定挿入。  
→リアルタイム測定値の参照による正確性の追求

リアルタイム測定値の参照による正確性の追求

⑤Toric(乱視)ガイドを利用することで、乱視を矯正する場合は、手術による切開の影響を考慮した乱視補正軸を提示。それに合わせてレンズを挿入して手術を手術を終える。
→正確な乱視矯正による視力向上

正確な乱視矯正による視力向上
ふくろう
うえだ眼科クリニック

診療科目:眼科一般

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