眼瞼けいれん(がんけんけいれん)
1. 眼瞼けいれんとは
~けいれんというからにはピクピクする?~
眼瞼けいれんは読んで字の通り、”目の周りのけいれん”という表現になっていますが、実際にはピクピクするわけではなく、目の周りの筋肉に脳からの命令が正しく伝わらないことで、上手に目の開閉ができなくなる状態を示しています。おおむね50~70代の女性に多く見られる病気で、パソコンなどの目を使う作業をよくする方以外にも、普通に生活していても出てくる可能性のある症状です。
2. 症状
初期には光がまぶしく感じる、目が乾く、ショボショボするといったドライアイのような症状が見られ、それが悪化してくると、自分の意思で目が開けられなくなったりして、顔の左右どちらかが、自分の意思に関係なく持続的にピクピクします。症状が時間によって出るとかではなく、多くは症状が途切れることなく出るため、手を使って目を開けなければならないなど、日常生活に支障を来すようになります。
3. 診断法
診断方法は、瞬目テストと自覚症状から行ないます。
4. 治療法
①ボトックス注射
ボツリヌス菌という菌が放出する、ボツリヌス毒素を利用するのがボトックス注射です。もともと、ボツリヌス毒素は神経のつなぎ目(接合部)に働いて、神経を麻痺させる毒素で、口から投与した場合は食中毒を起こす毒素なのですが、それを注射用に抽出したものがボトックス注射です。それを緊張している目の周りや顔面の筋肉に対して注射することで、緊張をとって自然な表情にしたり、目の開閉ができるようにする目的で使用されています。ただし、ボツリヌス毒素自体は効果が2-3か月程度で消失する為、人によっては繰り返し注射が必要になる場合もあります。なお、この治療による副作用としてボツリヌス毒素が効き過ぎると、一過性に “まぶた” が下がったりする症状が出る場合がありますが、数ヶ月で効果の消失とともに戻ることが大半です。
当院では院長がボツリヌス治療の資格を持っておりますので、心配な方はご相談にいらしてください。
②手術
眼瞼けいれんには、まぶたの筋肉を開きやすくするように、筋肉や皮膚を切開する手術方法も実施されることがあります。
③その他
特殊な眼鏡での治療として、眼瞼けいれんでは、まぶしさを軽減させることで目が開けられるようになることもあるので、遮光レンズを使うことで症状が軽減する方もいます。また、目の周りを押さえることで症状が軽減されるため、クラッチ眼鏡という特殊なまぶたを押さえる眼鏡もあります。
5. よく似た病気
似た症状で目の周りが、たまに太ももの筋肉がピクピクするように、規則的にけいれんするという症状の方がいますが、これは眼瞼ミオキニアといって、疲れなどでたまに出るもので、大半は自然に治ります。
”片側顔面けいれん”という病気もあります。
6. 片側顔面けいれんとは
眼瞼けいれんの範囲が大きくなったような病気で、顔の片側だけが無意識にピクピクする病気であり、顔面の神経が何らかの原因で隣り合っている血管などに圧迫されることで刺激されて、自分の意思に関係なく筋肉が動いてしまうことで発生すると考えられています。物理的な異常が原因となる場合は、放置しても自然に治ることはないと言われていますので、脳のMRIなどをとって原因を突き止める必要がある場合もあります。治療としては上に述べた眼瞼痙攣と同じく、ボトックス注射の他、片側顔面けいれんは血管などが神経を圧迫して発生していることがあり、そのときは外科的処置で、圧迫を解除することで、けいれんを押さえる手術をすることがあります。
診療科目:眼科一般
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