うえだ眼科クリニックの
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V-Lynk(術中イメージガイダンスシステム:ORA SYSTEM™ with VerifEye™ Lynk)の実力

2023年01月12日

 皆様こんにちは、上田眼科クリニック院長 上田です。新年あけて、さっそくの手術始めを先日実施いたしました。無事に手術も終了して、今年度も安心安全な手術を目指そうと思っている次第です。


 ところで、昨年度から当院で稼働している、デジタル手術支援システムである”V-Lynkシステム”の手術データがそろそろ出始めましたので報告させていただきます。V-Lynkはこちらのページ(こちらをクリック)、に詳細を書いておりますが、簡単に言うと白内障の手術中にリアルタイムに目のデータを計測して、AIによりレンズの度数を決めたり、乱視矯正が必要な場合は、乱視の矯正軸や乱視の矯正度数をAIを利用して求めることで、手術の精度をより高くする目的で導入している機材となります。


 今回は、当院での白内障手術時における、乱視矯正の結果のデータが出たのですが結果から言うと、V-Lynkを導入したことにより乱視矯正の精度が高くなったというデータが見られました。

乱視乱視の強さに応じた矯正結果です。手術前に乱視が強かった症例はどうしても、手術後に強い乱視が残りがちになっていました。


 上のグラフは2017年に、以前勤務していた荻窪病院の眼科部長時代に、私が日本臨床眼科学会で発表した白内障手術時における、乱視の強さに応じた術後の乱視矯正データのグラフで、以前は乱視矯正の軸を手術室に入る前に患者さんの目に ”手で直接マーキング” をすることで ”術前の予想値” で乱視矯正をしていたのですが、その結果のデータです。グラフから分かるのは、手術後に見られた乱視矯正効果については、ある程度乱視矯正はできても、そこそこの乱視(生活には支障ない程度の乱視である-1.0ジオプター ~ 少し強めの乱視である -2.0D程度)が残ってしまっていました。もちろん、乱視矯正をすることにより、乱視矯正をしないよりは、患者さんにとって術後の視力の安定につながっていました。

左上は術前の乱視の程度です-1~-4まで中心から遠いほど乱視が強いというデータで、左下は術後の乱視データで、中心に近くなっており、かなり乱視が矯正されているという結果となりました。右のグラフは、乱視矯正により術後の乱視が-1ジオプター以内に納まっているという結果です。


 ところが、上のグラフは当院でV-Lynkシステムを併用した白内障手術の術前・術後の乱視矯正結果のデータですが、かなりの正確性で乱視矯正ができているという結果となりました。(75%以上の症例で-0.25ジオプターと軽い乱視が残っただけで、ほぼ100%で上記と同じ-1ジオプター以内に収まっていた。)


 私自身、使い始めてどの程度の正確性があるのか心配だったのですが、結果を見るとかなりの精度を誇っているという事でした。また、こちらの機材の会社の担当者さんによると、当院の乱視矯正の精度は世界レベルでも高い水準にあるということで、今後も安心して使っていける結果が得られました。

 まだまだ、V-Lynkは全国で60台、都内では20台程度と稼働の少ない機材ですが。患者さんのためにも先進の技術を駆使して、精度の高い白内障手術により少しでも患者さんが笑顔で ”よく見えます!”とお話しされるのを願って引き続き頑張っていきたいと思います