うえだ眼科クリニックの
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コロナ感染対策と手荒れ対策について

2020年06月28日

  皆様こんにちは、うえだ眼科クリニック 院長 上田 至亮です。

 皆さんコロナ災禍の中、やっと外出規制が解除となっておりますが。いかがお過ごしでしょうか。そんな中、色々なお店がそれぞれでコロナに対しての感染症対策をしていますが、当院も医療施設という事で様々な対策をとっております。詳細はHPのトップのバナーの通りなのですが、我々の医療施設のみならず、どこの施設でも一番大事なのは手の洗浄や消毒ですよね。その中で付きまとってくるのが”手荒れ”の問題であり、実のところ、私も診療をするときは、患者さん一人を診察するごとに、アルコールで手指消毒をしているために、手荒れを起こしたことがあります。

 ということで、本日は手指消毒、特に手の洗浄や消毒の際の”手荒れ”を予防するためのちょっとしたコツをアップしてみました。
 
 さて、”手荒れ”というと普通に手の皮膚がガサガサした状態を思い浮かべると思いますが、医学的な手荒れの病名というのは”進行性指掌角皮症”と言い、手の皮膚にある角層に乾燥、亀裂、肥厚などが生じている状態です。このように皮膚が荒れることにより、あかぎれ・出血・痛みの他、表面にいる細菌による感染症を引き起こし、それが患者さんへの感染のリスクともなるため、医療関係者にとっては手荒れケアは大変重要になってくることが多いです。

 ちなみに、手荒れの原因にはアトピーなど体質的なトラブルが原因となる”内因性”によるものと、今回のコロナでの消毒等に関連した”外因性”のものがありますが、では実際にどのように注意してゆくべきなのでしょうか?

●石鹸による手洗い(洗浄)を中心としたケアについて

 ①温水(40度以上)は使わない:冬場であかぎれなどができているときは、温水で手洗いをする人もいるかと思いますが、温水を使う事で皮膚の脂質が洗い流されて、より手が乾燥しやすくなるため温水での手洗いは要注意です。なお、流水のみで手洗いをする場合は温水のほうがいいというデータ(#1)もありますが、石鹸を使う場合には、手荒れの観点からは温水は個人的に避けるべきだと思っております。といっても、わざわざ冷たい水で洗うべきという事ではなく、脂質が流れないような30度以下の適温で洗えばいいでしょう。

1)https://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20150528023751.pdf

 ②手洗い後は十分にすすぐ:皮膚は長時間湿潤していると角質が弱くなることで、接触性皮膚炎をおこしやすくなりますので、手洗い後はしっかりと水気をとって乾燥させましょう。

 ③手を拭くときは優しく水分を拭き取る:トイレでペーパータオルが置いてあるところがありますが、こういう場合、ゴシゴシと強くこすることによって皮膚の角質が傷がついて弱くなることがありますから、優しくふき取りましょう。

●アルコール等の消毒剤使用時のケアについて

①低刺激性の手指消毒剤を使用する:消毒の薬剤にはエタノール消毒、ヨウ素剤、次亜塩素剤など色々ありますが、低刺激なものを選択することで手荒れを予防します。

②保湿剤配合の手指消毒剤を使用する:乾燥にも関連していますが、消毒をした後で、保湿することで角質が守られます。最近は保湿剤配合済みのものも多いですので、それらを使う事で手荒れを予防します。

③自分に合った消毒剤を選択する:実はこれが一番大事であり、上記の①②も内包している問題ですが、結局は自分の皮膚にあっているものを選択することで、手荒れが予防できるのではと思っております。事実、私も一時手荒れを起こしていた消毒剤があったのですが、そちらを変えることで比較的手荒れが起きにくくなりました。

●石鹸による洗浄・アルコール消毒共通のケアに関して
 ①手指衛生慣習を減らす方法の模索:これは根本的な感染リスクの機会を減らすという考え方で、例えば手袋を使用するとか、タブレットの画面はペンタブ等を使う事で直接接触する機会を減らすよう心掛けてみて下さい。

 ②ハンドケア剤で角質の保護:女性にはおなじみハンドクリームですね。保湿剤配合の消毒剤を使用しても乾燥するようなら、追加でハンドクリームを使ってしっかりと保湿しましょう。

 以上、徒然に書いてみましたので、ご参考にしていただき、コロナ禍を乗り切りましょう。